NaikaQuest

記事一覧試験対策・勉強法

専門外だらけで苦労した話と、やってよかったこと

総合内科専門医試験の合格体験記

総合内科専門医

総合内科専門医試験を受けたときの話を、正直に書いておきます。うまくいったことより、遠回りしたことのほうが多いかもしれません。でもそれが、これから受ける人には役に立つ気がします。

先に一つだけ言っておくと——この試験でいちばんきついのは、覚えることじゃない。「何が大事で、何がどうでもいいか」が最初はまったく分からない、そこです。私は循環器が専門で、それ以外はほぼ手探りでした。その前提で読んでください。

受けると決めた

そもそも、なぜ受けたのか

受験資格を得たから受けた。それが本音に近いです。強い動機はありませんでした。あって困るものでもないし、取れるうちに取っておこう、くらいの感覚です。

あって役に立つかは、正直分からない。でも、ないよりはマシだろう。それに——年をとってからこの量を勉強し直すのは、たぶん無理です。今でもきついのに。取れるうちに取る。動機はそれだけでした。

始める前の不安

循環器が専門で、他は自信がなかった

私はわりと早くに循環器1本になりました。専門はいい。問題はそれ以外です。

研修医の頃には触れていたはずの分野が、今の頭にどれだけ残っているのか。当時覚えたことが今の試験で通用するのか。それが本当に見えなかった。専門に寄っていると、症例だって幅広くは集まりません。だから「そもそも足りるのか?」というところから不安でした。専門を早くに決めた人なら、この感覚、分かってもらえると思います。

最初の壁

最初の過去問1周で、いきなり詰まった

まず過去問を1周した。そこで変な感覚に襲われます。なんとなく解ける。でも、なぜ解けたのか分からない。

そして問題の解説を読んでも、専門外はほとんど頭に入ってこない。一番こたえたのは、これでした。

どれが大事な論点で、どれは流していいのか、その区別がまったくつかない。

全部が同じ重さに見える。全部大事に見えるということは、優先順位がつけられないということです。何をどう勉強すればいいのか、そこで完全に止まりました。

最大の後悔

ノートを全分野で作った

ぶっちゃけ。これが一番の遠回りでした。

区別がつかないなら全部まとめてしまえ、と思って、私は各分野でノートを作り始めました。理解は深まります。地に足もつく。それは嘘じゃない。……でも、ノートって、「作る作業そのもの」に時間を全部持っていかれるんです。調べて、まとめて、きれいに書いて。気づけば、勉強しているのかノートを作っているのか分からなくなる。

しかも一度作り始めると、途中でやめるのが悔しい。だから最後まで作り切った。意地でした。

その代償が何だったか。

削れた睡眠と、家族と過ごせたはずの時間です。

子どもとの時間を後回しにして、ノートを書いていた。今思うと、あそこまでやる必要はなかった。勉強としては悪くない。でも合格が目的なら、間違いなくやりすぎでした。

試験が終わった最初の感想は、「受かったかな?」じゃありませんでした。「こんな精巧なまとめノート、作る必要なかったな。時間の無駄だったな」です。

やってよかったこと

「何がよく出るか」を早く掴む

攻略のカギは、いかに早く各分野の全体像を掴んで、「よく出る疾患」と「出ない疾患」の差に気づけるか。ここさえ分かれば、あとは覚えるだけです。

ただ、この「気づく」が、とんでもなく大変でした。

はっきり言います。普通に過去問や問題集を解いているだけでは、まず気づけません。何が頻出で何がそうでないか、問題は教えてくれないので。だから私がやったのは、かなり泥臭い方法です。古い掲示板のスレッドを漁り、受験した先輩たちを捕まえては「どんな問題が出た?」と片っ端から聞いて回った。ブログも読み漁った。どの分野の、どういう問われ方が多いのか。それを自分なりの地図にしていく。

この地図さえできれば、勝負は半分終わりです。逆に言えば、労力の大半はここに消えました。覚えるのは、そのあとの作業でしかない。順番で言えば、覚えるより先に「何を覚えるべきか」を知る。振り返ってみると、この知識が最も効率よく合格へつながったように感じます。

やってよかったこと

過去問を軸に据える

教材はいろいろ試しましたが、結局いちばんは過去問でした。実際に出るのは一部でも、問題の雰囲気と難易度は、これがまさに正本です。

使い方はシンプルです。最初に一度解く。次に他の教材で勉強する。最後にもう一度解く。それだけ。

ただ最後の解き直しでは、正解できるかだけじゃなく、「解説を自分の言葉で説明できるか」まで確認しました。答えを覚えているだけじゃ意味がない。人に説明できて、はじめて分かったと言えます。過去問は、最初と最後に置く「ものさし」。みたいな感じです。

一つ反省もあります。最初の頃、いろんな問題集をなんとなく1周してしまった。あれは順番ミスです。「何が出るか」を掴んでから解けば、同じ1周でも得られるものが全然違ったはずでした。

遠回りしたこと

問題集の解きすぎ

問題集は解きすぎました。正直、1冊、多くて2冊で十分です。これはもう、はっきりしています。何冊もやる必要はない。

冊数を増やしても、似た論点を薄くなぞるだけで、時間が散っていくだけです。それより1冊を繰り返したほうがいい。あと、これも言っておきたい。問題で覚える人、ノートで覚える人、どっちもいると思います。でもタイプに関係なく、最優先は同じです。全体像の把握と、それを自分が理解できているかの確認。これだけ。

もう一つ、時間配分の話。自分の専門分野とその周辺に勉強時間を回すのは、もったいない。そこはもう取れるんです。伸びしろは、手つかずの専門外にしかない。私はここでも少し時間を使いすぎました。

勉強時間の作り方

どこで時間を作ったか

朝、子どもの寝たあと、休日。捻出できる隙間は全部そこに充てました。特別なことはしていません。早起きして、寝かしつけのあとに、休みの日に。それだけです。

量で言うと、平日1日3時間、休日は12時間くらい。……書いていて思いますが、やりすぎです。しかもその多くをノート作りに溶かした。もっと少ない時間で、同じ所には届いたはずでした。だからこそ「どこで無駄が出るか」を先に知る価値がある。私の失敗が、そのまま誰かの近道になればいいと思っています。

直前期

とにかく苦手を潰す

直前は、ひたすら苦手分野です。苦手の点が低すぎると足切りに引っかかるので、そこを最優先で埋めました。

方針はこれ一本でした。得意を伸ばしても、上積みはわずか。でも沈んでいる分野を平均まで引き上げれば、その分がまるごと効く。だから直前は、苦手だけを見ていました。

試験当日

宿はケチるな

これは勉強と関係ない、でも地味に大事な話です。前泊するなら、宿はある程度いい部屋にしてください。

私は安く済ませようとカプセルホテルにしました。うるさくて、よく眠れなかった。研修医の頃は平気だったけど、年を取ったのかキツかった。あれだけ準備して、当日のコンディションを宿で落とす。本当にもったいなかったです。ここはケチる場所じゃない。それだけ。

振り返って

今もう一度受けるなら

もう一度受けるなら、あのノートは作りません。ノートのおかげで、めっちゃ高得点で合格しました。でも点数で資格に差は生まれません。

代わりに、こう回します。過去問で現在地を掴む。苦手分野を集中的にトレーニングする。余裕があれば全体を軽くさらう。ここまでで過去問も含めて自信がつけば、それで十分です。

それでも「まだ解きたい」という人は、みんなが使っている QuestionBank(QB)をやり込めばいい。ただ QB はやや難しめの問題も混じっているので、合格が目的なら、全部解けなくても気にしなくて大丈夫です。全問正解しないと受からない試験じゃありません。

その後

その経験から、NaikaQuest を作りました

勉強しているあいだ、ずっと思っていたことがあります。「苦手分野を、スマホで、いろんな角度から、いくらでも解けたらいいのに」。あのノートの後悔が、根っこにあります。

紙の問題集は重い。持ち運べない。新しい問題を解きたいのに、そのたびに何冊も抱えることになって、うまくいかない。しかも同じ問題を繰り返すと、答えを覚えているのか理解しているのか、自分でも分からなくなる。だから欲しかったんです。同じ論点を、色んな角度から聞いてくれる問題。そして、間違えた問題をちゃんと出し直してくれる仕組み。この2つが。

そこだけを狙って作りました。スマホで、苦手分野を、別角度の5択で何度でも。間違えた論点は、ちゃんと戻ってくる。既存の過去問題集やセルフトレーニング問題を置き換えるものではありません。あれで学んだ知識を、繰り返して定着させるための道具です。

いいのは、場所を選ばないことです。子どもの寝かしつけの横でも、通勤中でも、人を待っているわずかな隙間でも解ける。「今日は勉強できなかった」と罪悪感を抱える人は多い。でも、スキマで少しでも解けば、それでいい。ゼロと1は全然違います。

それと、もう一つ。書いていて気づいたことがあります。

合格するだけなら、完全に無駄だった、試験直後はマジ無駄なことをしたなと思った、あのノート。

結局あれが、今このサービスの土台になっています。

どの分野の、どこがどう問われるのか。ノートに書き溜めたその中身が、そのまま問題を作るときの元になっています。それに、出てきた問題が医学的におかしくないかを自分で確かめるときも、結局あのノートに戻る。

捨てたはずの遠回りが、いま一番効いている。人生、何が無駄になるか分からないものです。

あのとき自分が欲しかったものを、作りました。無料で1日3問から試せるので、よかったら使ってみてください。

よくある質問

総合内科専門医試験の勉強で、最初につまずきやすいのはどこですか?

「解ける問題はあるが、なぜ解けているのか・何が大事な論点なのかが分からない」という段階です。特に専門外の分野は、解説を読んでも重要度の区別がつきにくいため、まず各分野の全体像と「よく出る論点」を掴むことが最初の関門になります。

分野ごとにノートを作るのは効果的ですか?

勉強にはなりますが、試験合格だけを目的にすると過剰になりやすいです。ノートは作る作業自体に多くの時間を取られます。合格が目的なら、全体像の把握と「理解できているかの確認」を優先し、ノートの作り込みは最小限にするほうが時間対効果は高いと感じました。

問題集は何冊やればいいですか?

1冊、多くても2冊で十分だと感じました。冊数を増やすより、過去問を軸に据えて同じ教材を繰り返すほうが効きます。似た論点を薄く何度もなぞると、時間が分散してしまいます。

過去問はどう使うのが効果的でしたか?

最初に一度解いて現在地と問題の雰囲気を掴み、他の教材で勉強したあと、最後にもう一度解き直す使い方です。解き直しのときは、正解できるかだけでなく「解説を自分の言葉で説明できるか」まで確認すると、理解の穴が見えます。

自分の専門分野の勉強はどれくらいやるべきですか?

専門分野とその周辺は、すでにある程度取れるはずなので、優先度は低くて構いません。伸びしろは手つかずの専門外にあります。得意を磨くより、苦手を平均点まで引き上げるほうが、同じ時間で総得点が動きます。

直前期は何をやりましたか?

ひたすら苦手分野を潰しました。苦手分野の点が低すぎると足切りに関わるため、直前は得意を伸ばすより、沈んでいる分野の底上げを最優先にしました。

試験当日に向けて気をつけることはありますか?

前泊するなら宿はケチらないほうがいいです。安宿でよく眠れず、コンディションを落とすと、それまでの準備がもったいないことになります。勉強以外のコンディション管理も、当日の実力を出し切るには意外と大事です。

もう一度受けるなら、勉強法はどうしますか?

ノートの作り込みはやめ、過去問で現在地を掴んだうえで、苦手分野を集中的にトレーニングし、余裕があれば全体を軽く回す形にします。もっと解きたい場合だけ QuestionBank を足しますが、難しめの問題は全部解けなくても合格だけなら過度に気にしなくて大丈夫です。

この記事を書いた人

総合内科専門医

総合内科専門医

総合内科専門医・循環器専門医として、二次救急、三次救急など急性期病院で救急診療・入院治療などを10年以上従事しています。NaikaQuestでは、内科専門医試験・総合内科専門医試験の対策を、単なる暗記ではなく「同じ論点を角度を変えて解ける力」に変えることを目指し、問題演習サービスを開発・運営しています。